愛と平和


11日の「その時歴史が動いた」で、近松門左衛門を取り上げていた。


元禄時代を「平和だが武士達には出世の見込みが無く、町人達は仕事に縛られ、
遊女は身請けされるために客の名前のイレズミをしたりした時代。」として、
その中での「曽根崎心中」の意味を取り上げていた。


うーん、現代の価値観で昔を悪く言うのは好きじゃない。
いや、だってさ、未来の人間に今の時代を悪く言われたら嫌じゃない?
今の自分達も悪いと思っていることならまだしも、良いと思っていることを悪く言われたら。


その時代の人たちは、その時代の人達なりに頑張ってきたのだと思う。
今、自分達がそうしているように、だ。
そりゃ、昔の人たちから見ても悪いところはあったのだと思う。
だから今があるのだ。・・・・そして、良い点も失われているのだろう・・・・


失ったものなら、取り戻せばいい。悪いものなら直せばよい。
人が作り上げた社会だ。人に変えられないものなどない。


・・っで、と。
NHKも普段はさんざん反戦番組やってるのに、平和なら平和で文句を言い、一体どうしろとww



けど、特集自体はおもしろかった。
近松門左衛門は元武士で、人形浄瑠璃の作者になるために町人になったらしい。
その当時の劇作家の身分は、大夫(語り部)のはるーか下。
最初は、大夫の言う通りに古典を現代訳していたけど、
そのうちに古典をアレンジして恋愛の要素を取り入れるようになっていった。


徐々に売れっ子になっていく近松。しかし、歌舞伎に客をとられていた。
同じ頃、昔の仕事仲間の竹本義太夫が借金に困って、近松に依頼をする
「ひとつ歌舞伎に勝てるようなの頼むよ。」


そんな時に大阪・曽根崎で町人と遊女の心中事件が起こる。
愛し合っていた2人だが、町人は江戸で働く事を命じられ、遊女は九州の客に身請けされることになり・・・・
義理と愛の板ばさみになった2人は、心中してしまう。
この事件に世間は大騒ぎ。
近松はこれを巧みにアレンジして、観衆の心をつかんだ。興行は異例のロングラン。
近松は日本初の劇作家として、竹本の語りは義太夫節として現代まで伝えられている。


NHKではヒットの原因を「個人が抑圧された時代において、普通の人が物語の主人公になれる事を意識させたから。」
と分析していたけど、どんな時代においても悲恋物語は、人の心を捉えるんじゃないかなー
それが平和で、人々の心が満たされている時代なら、なおさらだと思う。



ところでラスト。心中の現場となった露天神社の今の映像が流れた。
てっきり近松門左衛門が祀られてるのかと思ったら
「今では縁結びの神社として・・」
ちょwwwwwまwwwwwwwwほんとにそれでいいのかw