「ダメな会社ほど社員をコキ使う」を読んだ

ダメな会社ほど社員をコキ使う

ダメな会社ほど社員をコキ使う


最近自分が根性主義に陥っているのではないかと思って読んだ。


まえがき

われわれは、なぜがんばらなくてはならないのでしょうか。
われわれは他人に言われたからといって、がんばるものでしょうか。
偉い人はなぜ、いつも下の者に対して「がんばれ」と言うのでしょうか。
子どもに努力精神を教えるために「がんばれ」と叱咤激励するのは誰にでも理解できます。
しかし、立派な大人に対して、あたかも万能薬であるように、
いつも「努力しろ」という言葉でハッパをかけることが、本当にリーダーのすべき役目なのでしょうか。
会社の業績をつねに部下の努力の有無と結びつける経営は、はたして「経営」といえるのでしょうか。


営業
マーケティング
マネジメント
の観点から、会社を良くするためにはどうすればいいかが書かれていた。
一言で言えば「本質がなんなのかよく考えて行動する」ということだ。

営業

客がドリルを買いに来たとき、
「前の型は毎分300回転でしたが、新型は毎分3000回転です。先端の種類も2つから5つになりました。しかも値段は3割も安くなりました。」
と、とうとうと述べるのが従来の営業でした。しかし、これからは
「お客様のご要望はわかりました。でも、なぜドリルをお求めですか。」
と聞くべきだと思います。もし客が
「壁の絵が落ちたから留めたいんだ」
と答えたならば、店員はさらに
「その壁は木ですか?コンクリートですか?」
と聞き、木なら
「木ならドリルで穴を開けるより、釘で留めたほうがいいでしょう。」
と金づちを勧めるべきなのです。

へぇ〜って感じ。
言われてみれば、後者の対応のほうがいいに決まっている。
・・が、やれる営業担当者とやれない営業担当者がいるのだろ。
勝負とかいうレベルではなく、もう別次元の世界だ。


マーケティング

「他社で作って売れたから、うちも似たようなものを作ってみよう」というように、
常に他社の動向を追いかけようとする。
要するに自分の会社の事実を見ないわけです。
そのほうが確かに楽ですし、そういう決定だったらみんなが納得するわけです。

(要旨を抜粋)
製造業では高性能、高機能=いい商品と思ってしまいがちだ。
昔はモノがなかったのでその通りだったが、今はそんなに単純ではない。


昔の土木解析ソフトは以下のようなものだった。
価格:数千万円
計算結果:非常に正確
実行時間:2週間


著者は自分が土木解析ソフトを作るにあたり以下を目指した。
価格:300万円
計算結果:近似値
実行時間:4時間


ソフトは飛ぶように売れた。

矛盾したことを言っているようにも見えるけど、
なんでもかんでも真似するのはダメだし、
競合がいても戦える場所はあるということだと思う。


マネジメント

カイゼンとは「この業務はいらない」という業務全般の見直しのことです。
これは、企業トップが判断すべき問題です。
トップは現場に下りて、現場のスタッフと一緒にその実情を理解し、改善を決める。
これが重要です。
ところが、多くの日本企業では、現場の人間に改善を求めるために、
すでに「いらない業務」になっているのに、どう速くやるかという改善になってしまうことが多いのです。

トップは声だけかけて何も知らない何もやらないという時代は終わった。


ただ、現場を知っていても「いらない」という判断ができない経営者もいるのだろう。
私も読まない本を捨てられないし。
でも、それができなければトップがいる意味が無いのだと思う。