「魔法少女まどか☆マギカ」を見た感想(概要)(ネタバレあり)


物語としての側面

一言でいうとどんな作品だったのか

希望と絶望のコントラストを描いた作品。

どこがよかったのか

ストーリーが解りやすい。
いろんなフラグが明示されて、だいたいは予想通りになってくれるので見ていて楽しい。
たまに予想の斜め上をいくけどそこがまたいい。
回収されないフラグもなかった。

物語で最も大切なもの 情熱

物語には様々な要素がある。
その中で一番大事なのは、その物語に対する熱意だと思う。
どうしても伝えたい。伝えずにはいられない。
そんな魂の叫び的な情熱があれば、他がめちゃくちゃでもその物語には意味がある。


まどか☆マギカには熱意があった。
希望と絶望のコントラストを描くため、それだけに一点集中突破した物語だった。
物語の基本は、一点集中突破だと思う。
バトルも恋愛もギャグもなんて、できる人に任せておけばいい。

物語で情熱の次に大切なもの 離陸と着陸

物語において始まりと終わりは大切だ。
いかにスムーズに物語を軌道に乗せて、最後に着地させるか。
>始まり
始まった時点で世界観、主要キャラ、エンディングが見える、素晴らしい始まり方だった。


>終わり
10話の時点では、完全に無理ゲーというか詰んでいるように思えた。
ワルプルギスの夜を倒して、まどかが生き残ればよし。ほむほむは微妙・・ぐらいに思えた
しかし、完全に予想の斜め上をいった。
あれだけ絶望的な世界で、あっさり世界をひっくりかえした。
「絶望的な世界」を描ききった時点でこの物語の勝ちだ。



アニメーションとしての側面

このアニメは「魔法少女」ものだ。
アニメにおいて魔法少女ものは敷居が高いというか、アニメーターの到達点の1つのような気がする。
うまく描くためには様々な技術が必要で、簡単にはいい作品ができないから到達点。
「ロボット」ものも同じような感じだ。
魔法少女ものの「魔法少女リリカルなのは」、「ストライクウィッチーズ
ロボットものの「コードギアス」、「エウレカセブン
名作ぞろいなのは偶然ではない。アニメ好きが魔法少女もの、ロボットものを好きなのも。


ちょっと話はそれるけど、小説においてそれに該当するのはロードノベルだと思う(指輪物語十二国記など)。
マンガだとファンタジーバトル(ONE PIECE、H × H など)、
ゲームだとRPG, 格ゲーだ(FF、DQ、鉄拳、バーチャなど)。


話を戻す。
まどか☆マギカ魔法少女という看板に恥じない作品だ。
どこがすごいのか

登場人物がかわいい

なんというか、今までのアニメの流れからはちょっと外れているような気もする。
が、それでもかわいい。
具体的に言うと、今まで(つり目)→まどか(たれ目)。
たれ目いいっす。待ってました!

動きがかっこいい

4話から9話まで、何か違和感があった。
何か足りないな〜という。
何が足りないと感じたのか、解ったのは10話だった。
ほむほむのピンチにまどかとマミさんが駆けつけた時だ。この音楽!動き!


で、1話から見直してみると、やっぱりマミさんの戦闘シーンがカッコ良すぎる。
デビルメイクライのダンテじゃないけど、スタイリッシュな戦闘ですよ。
ステップとか踏み出すところがすごいし、武器の出し方1つからも美学やこだわりが伝わってくる。

演出が力強い

エンディングテーマを3話で初めて流したこと。
10話でのエンディングテーマの使い方、オープニングテーマを流すタイミングなど
演出にメリハリがあり、自信と力強さを感じる

音楽が心に残る

マミさんの戦闘曲は神曲
対さやか戦闘曲、営業のテーマ?など他の曲もいい。
あと、効果音も地味にすごい。1話の異世界に切り替わる効果音とか神がかっている。

異世界の描写がオリジナリティ全開

魔法と言えば異世界が切り離せないけど、
この作品は現代美術と古典芸術をミックスして、悪夢のような気味悪さをうまく演出している。

声優の力を解らせてくれる

世界観に完全に溶け込んで、世界観を何重にも強化した。

  • まどか(悠木碧
    • 神演技だったと思う。いろいろな感情を細かく丁寧に表現していた。
  • ほむほむ(斎藤千和
    • 感情を抑えつつ感情を現すという難しいことをやりきった。
  • マミさん(水橋かおり
  • さやか(喜多村英梨
    • 明るいときと暗いときの落差をうまく表現していた。
  • キュゥべえ加藤英美里
    • 何気にいい味出していた。どこか憎めないのは声の影響もあるはず。
  • 杏子(野中藍
    • 明るいキャラを、暗い世界観との違和感なく演じた。