「Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方」を読んだ


Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方

Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方


この本からは学ぶことがたくさんあった。
会社経営とかビジネス方面のことは胡散臭いと思っていたけど、
そんな思いはきれいさっぱりなくなった。
以下は訳者である青木靖氏の序文。

本書は構成管理ツールの代表的ベンダの1つである SourceGear の創業者 Eric Sink が書いた、
「技術屋のための会社経営入門」とも言うべき本であり、以下のようなトピックが扱われている。


・起業家になるために必要な資質
・採用と人のマネジメント
・戦略とマーケティング
・セールス


つまんないビジネス書かと思って本を閉じかけている人はちょっと待って欲しい。
Eric がこれらのトピックで書いているのは、たとえばこんなことだ。


・1人だけでソフトウェア製品を作って売る会社(マイクロISV)の実験として、余暇にゲームソフトを作った顛末
・ソフトウェアの展示会に出展したときの、場所取りから、ハリウッド風のデモの演出、会場の撤収までを綴った日記
・製品のアイデアを生成するためのアルゴリズム
・自分がこれまでにしでかしてきた見事な失敗の数々
・会社の戦略というのがいかにゲームににているかの例証
・ギーグにわかる言葉で書かれたマーケティングファイナンスの基本概念


Eric の文章は明快でユーモアがあり、とことん実践に裏打ちされている。
日米の文化的な違いや会社のビジネス形態による差異というのはあるだろうが、
彼の姿勢や実践から学べることはたくさんあると思う。


「もっとたくさんのソフトウェア会社があればいと思う。もっと少しのではなく」
というロバート・スコーブルの言葉は、アメリカ以上に日本に言えることだろう。
自分の会社を始めたいと思っているギーグや、会社の戦略に関わっている人はもとより、
ビジネス方面の事を胡散臭いと敬遠している技術者にも読んでほしい。