娼年をまた読んだ


娼年 (集英社文庫)

娼年 (集英社文庫)


前に読んだときもいいと思ったけど、やっぱりいい。一気に読んでしまった。
最近は1冊の本を読むのに何日かかけていたので、こういうのは久しぶり。

主人公が女性に体を売る話。

「でも、どうすればいいんですか」
「どうもこうもないわ。相手をよく見て、あなたの感覚や知性のすべてを働かせ、飛びこんでらっしゃい。」


主人公の他人への接し方が見ていて心地よい。

でもぼくは真実も深部も見たくない。表面を飾ろうとする気もちだけで、ぼくにはどの女性も魅力的に思えた。


そして、他人からの評価のされ方がいい。

「リョウくんは、どんな女の人からも魅力を見つけることができる。」


「それはね、簡単だよ。リョウさんは普通だったから」


人と関わるのがうまい人間って、
相手の事をよく見ていて、何を考えているのか知ろうとしている。
よい距離感を感覚で理解して、踏み込むべき時には踏み込むし、引くときには引く。
野球で言えば「球をよく見て、いい球を打て」みたいな話ww