「人魚の見た夢」という本を読んだ ★★★☆☆


人魚の見た夢 (講談社X文庫―ティーンズハート)

学校では、成績優秀、優しい彼氏もいる、なんの問題もない普通の子。でも本当は…。
母に捨てられ、自分の存在価値を見失って、卑屈な心が占領している、今のわたし。
「いい子にしててね」という、お母さんの言葉にしばられつづけている、
仮面を被った高校生です。ありのままのわたしを受け入れて、理解してほしいと、
母親探し、自分探しの旅に今、出発します。真澄、十六歳の夏物語。

こんな帯の文章読んだら気になる。


正直、自分探しという考えがよく解らない。
自分のどこそこが嫌い、こうしたいというのなら、よく解るけど。
おれが、そういう事をあんまり深く考えないからかもしれない。


高校生の頃クラスの友人に「ミギー」に似ていると言われた事がある。
寄生獣という漫画に出てくることは知っていたので、読んでみたらすごくおもしろかった。
そして、確かにこういうところもあるなー・・と。


世の中には人の痛みに敏感で、理由が無くても察知するような人もいて、
そういうのがやさしいって事だと思う。そんなヒマな生き方が、現在の努力目標。



で、読んでみた。
自分探しって感じでも、今出発しますっていう風でもなかったけど・・。


母親がいい子にしていてねって言ったからそうしたけど、疑問を感じ始めた。
しかし、自分で決めたことにも満足ができず、訳が解らなくなった。
旅をして、ますます訳がわからなくなったけど、そのせいでなんとなく解ったことが・・・・
という話。
この話で純一(主人公の幼馴染)は、間違いなくヒーローです。
極めて重要な分岐点で、そっと手を差し出した。


・・・・もしそんな時に、こういう人間がいなければ?と考える。
なるようになるのか?


逆に、自分の手の届くところ・・・・
責任というか、物事の進め方によってはどうにかできたものを、
何気なく見逃してしまっているのではないかと、ひどく不安になる。