ライブドア、時代の鏡像


IT革命の寵児だと思っていたら実は証券会社で、
グレーゾーンでマネーゲームをやっていると思ったら実は真っ黒だったという、
ビジネス小説もびっくりな展開。
と、いうか、今までの成長、注目度、憧れと嫌悪のまなざし、周囲への影響からして、
これは最高に衝撃的なエンディングでは?
取引が多すぎて東証のシステムが停止されるなんてオマケつき、誰が想像できたというのかww


・・・・今回の騒動で、損をした人の分だけ、得をした人がいるはずで、
その人たちにとっては、これはエンディングではないのだけど・・・・



19日の読売新聞は笑えた。記事の下に、紙面の3分の1くらいを使って
「世界一わかりやすい株の本 実践編」の広告が出ているのだ。
細野真宏の世界一わかりやすい株の本
「発売以来 27週ベストセラーランク1位」とか
「株はギャンブルではない」とか
「この本で投資家が急増中」とか
投資家にめちゃめちゃな損害が出ているときに・・・・多分、この本を読んだ人もいるのだろう。


マスコットキャラ同士の漫画解説にもおどろいた。

頭のいいのと、悪いのとが映画を見に行く。その映画はおもしろかった。
頭のいい方は、少し先の将来を考える習慣があるので、映画のヒットを予測する。
悪いほうは、映画を楽しんで終わり。
いい方は、映画を作った会社の株を買うことにする。
映画がヒットして、株価が上がり、いい方は儲かった。


確かに、株式会社のシステムは、このキャラ同士の会話にあるような事を目的に作られた。
いい物をつくる会社が、よりお金を集められるように。
投資家は、そういう株を持つことで、投資した元手を増やすことができる。


けれど、今は違う。
株は動かす事で利益を生む、投機の対象となってしまった。
そして、利益を生むために待つ時間としては、いい物が作られる間隔は長すぎるのだ。


そのため、短期間の株価の上下で(そこで利益を出そうと)、売り買いが集中する。
株価の上下が起きる理由は、何でもあり。やれ人事異動があった、やれ新商品のテストが始まった、やれ長期予報が暖冬だから・・・・理由が無ければ、作り出す。
自分たちで株をドカッと買って(お金が無いとできないけど)、みんながつられて買って、値上り始めたら売る、とか。


こんなの株をやりたい人の常識だと思っていたけど、違うのか?・・・・



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流星たちの宴 (新潮文庫)
株の魅力と魔力を存分に伝えてくれる、一級品のビジネス/ギャンブル小説。
男たちの熱い思いが入り乱れる様に思わず引き込まれる。
読んでいて、「こいつらかっこいい!」と思った数少ない小説です。