秋の美しい一日


秋という季節の、一番美しい部分は空だと思う。
冬は空気、凍える夜の空気の張りつめた感じ。
夏は光、水面に輝く光のまぶしさ。
春?・・・・あったかくて、気持ちいいからいいんじゃない?


朝起きたら、それを見計らったようなタイミングで親父から電話がかかってきて
「機材を忘れたから車で届けてくれ」だって。たまの休みに実家に帰ってきたらこれか。
片道4,50分の所で面倒だったけど(だから頼まれたんだろうけど)、
親の新車にも乗ってみたかったので快諾。


車はホンダのエアウェイブ。カタログとかの写真から受ける印象より小さい車だけど、
動かしてみると、見た目の大きさより軽く感じる。
フィットベースの車らしいけど、フィットよりも軽いような気がする。
(フィットはレンタカーで1日乗っただけだし、それも随分前の事なのであいまいだけど)


車幅感覚も解りやすく、前も見やすいので運転が楽。
親の前の車が現行のカルディナで、これがしこたま運転しずらい車だった。
Aピラー(フロントガラスを支えているフレーム)が寝すぎていて、
斜め前がものすごく見づらい&運転席の天井が低くて頭がぶつかるのだ。ワゴンのくせに。


とりあえず、問題は見当たらないまま目的地に。
まぁ、街中を短い時間走っている分には、軽トラとかでも問題ないからな。


荒川の土手に車を止めて、少し考える。外はものすごくいい天気だ。
本当なら休みの日には昼過ぎまで寝てるけど、今日はたまたま起きて、たまたま外に出た。
このまま帰るのはもったいない&車まである。
ちょっと遠出することにした。


と言っても、まぁここから1時間ぐらいのところで・・・・。
電車の宙吊り広告で気になっていた鎌北湖に行ってみることにした。
早速ナビをセット。とりあえず、その近くにある宿北の滝に向かう。


滝の近くまで行って、車を路上駐車して滝に向かう。狭い遊歩道を5分歩く間に、
どこかのハイキンググループの団体さん50人位とすれ違いつつ滝へ・・・・
ってこれが滝?落差2メートルくらいの、水が申し訳なく流れ落ちているだけ。


ま、いっか。湖までは直線距離で1キロ程、それこそ歩いていける距離なので道なりに車を進める
・・・・これが間違いだった。10分走っても20分走っても湖に着かない。
いつかは着くだろうと思って、30分ぐらい経ってから迷った事を確信した。


迷ったらすぐ引き返せ、か。昔の人はうまい事いったもんだ。
これを言ったのは当然、迷いながらも生き残った人で、
そうでない人(迷ってもそのまま進め)は多くが死んだのだと思う。
まぁ、それを人生に当てはめるのはどうかと思うけど。
迷いながらの前進というのは、相当に重要なファクターのような気がするからだ。
どんな場合でも正確な地図があるというわけではないし。


ああ・・何の話だっけ。そもそもこの場合、生死を問われるような状況ではないんだった。
細い林道だけどたまには対向車もあるし(土曜日なのに5分に1台くらいだけど)
「この先行き止まり」の看板もない。



山道を2時間くらい走っての感想。
エンジンのパワーは十分。かなり軽快。
足回りは、限られた予算の中で、硬さと乗り心地のバランスをうまくとっているという感じ
(フィットは硬すぎるように思う)
ただ、なんか安っぽい。しっとり感というか重厚さというものが無い。
ロールするときに、一気に車体が傾く。もっとじわじわきてほしい。


無段変速機は快適。変速のショックがないのはすごいと思う。
けど、7スピードモードはいらないと思う。
7速ATみたいなものらしいけど、無理に引っぱっているように感じる
(エンジンをぶん回して走りたいという人のための配慮なんだろうけど)し、
エンブレも効きすぎるような気がする。


結論:運転していて、それなりに楽しい車。長い時間乗ってても疲れにくい。
街乗り、山道、どちらもこなせる。



湖?結局山を挟んだ真反対の国道299号に出てしまい、じゃあ正丸トンネルを抜けて秩父に・・
と思ったらまた方向を間違えて、飯能のほうに進んでしまい・・・・
そのまま帰るのもなんなので、湖を見て帰った。
なんて事はない湖だけど、釣り客はたくさんいた。紅葉もきれいだった。
葉っぱが赤くなっているだけだけど
うーん、グランツーリスモ4のオープニングの紅葉は美しいと思う。
なんだろう、やっぱり散らないとだめなのか?桜のほうがずっと好きだ。
桜は足を止めて見入っちゃうけど、紅葉はちょっと見ればそれで十分のような。


ただ、山の空気は気持ちよかった。はっきりとその違いが解るなんて、
普段どれだけ悪い空気吸ってるんだ?



小学校の頃の遠足は、この辺の山だった。今来れば、なんてことはないハイキングコースだ。
来たい時に、いつでも来れる。
けど昔は1週間前から楽しみにしていた。1年に1度のイベントという感じで。
わざわざお弁当とか用意して。(昼?コンビニのパンだよ。外回りの仕事してる気分だった)
気がつけば随分な時間と、それなりの変化があったのだなーと思う。

遠くまで行くのが遠足というのなら、これも遠足か。
ああ、戻れない以上ちがうのかな。「家に帰るまでが遠足」らしいですから。
じゃ旅か?
でもおれの考えでは、旅はいつか終わるもの、戻る場所があるものなんだよね。
(遠足との違いは「予定」通りか、そうでないか)
こういう感覚に一番近いのは、流浪とか放浪とか漂流とか・・・・。

ではなぜ、人生が旅に例えられるのか。
それは多分、人生には帰る場所があるって、みんなが感じているからじゃないかなー。