「風立ちぬ」を見た

感想の要旨

飛行機に憧れる少年が、子供の頃の夢を持ち続け飛行機の設計士になり、
失敗や挫折を乗り越えて飛行機を飛ばす話として、とても良かったと思う。
ただ、もやっとした部分もあった。


以下、ネタバレありの感想。


空に対するあこがれ、空を飛ぶかっこ良さの描写がすごくいい。
これにつきる。
主人公が紙飛行機を飛ばすシーンがあるけど、
そんな何気ないシーンからも伝わってくる。


昭和の描き方がいい。
実際の映像や、実写映画とはまた違った良さがある。
特に汽車から見える田園風景がいい。


主人公の生き方がいい。
夢を現実にするため、目的に向かって一直線。
しかもすごく楽しそうで、
「・・私の生き方って・・」と思わずにはいられない。


計算尺がかっこいい。
計算尺好きとしてはたまらない。


もやっとしたのが、ヒロインが病院に帰っちゃうシーン。
上司の妻が「きれいなところだけ見せたかった。」と言っているのが、
よく意味が解らなかった。


ずっと考えてて次の日になって出た結論は
「主人公はヒロインに振られた。」だった。
上司の妻のセリフが真実なのか、間違いなのか、ミスリードなのかどうかは解らない。


ヒロインの意図がどうあれ、
主人公とヒロインが両親に会うシーンは無かったり、
二人は散歩はおろか、一緒に食事するシーンもなかったり。


なので最後にヒロインが「生きて。」と言ったのは、
つまり「一人で生きて。」ということなのだと思う。


ただ、「何かをなすとはこういうことだ」と言われると、もう何も言えない。
幸せかどうかは二人が決めることだし。
でも主人公が飛んでいる飛行機をヒロインに見せて「すごいだろ」ってシーン、欲しかったなぁ・・。



ベストシーン。
空母への着艦シーン。かっこいい!さすが!



補足:
映画「風の谷のナウシカ」で、王蟲が押し寄せてくるときにオババが
王蟲の怒りは大地の怒りだ。」みたいな事を言っていたが、あれはミスリードだと思う。
王蟲が大地の怒りを体現しているとしたら、人間をとっとと絶滅させるべきだ。
王蟲は子供をさらわれて種族として怒っていたのだと思う。
・・ということがあり、風立ちぬの上司の妻のセリフもミスリードなのかなと思った。