「もしドラ」を読んだ


もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
略して「もしドラ
なんとなく羊頭狗肉(萌え表紙/中身空っぽ)な気がして読んでなかったけど、
勧められて読んでみた。


・・ら、すごく良かった。


この本では随所でドラッカーの「マネジメント」が引用される。
一番最初の引用はこれ。

人を管理する能力、たとえば議長役や面接の能力を学ぶことはできる。
管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。
だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。
真摯さである。

いっぺんに好きになってしまった。




この本は、ドラッカーの解説本ではなく、
ドラッカーの言葉を軸とした野球小説だ。
その野球小説としての部分もいい。


弱小野球部の部員が悩みを抱えつつ努力していくという王道の展開。
その一方で人と人がすれ違い続けるというこの作者ならではの展開。


この本を読んだ人に、一番感動したシーンを聞いてみたくなる。
私は209ページ。




マネジメントって、
マズロー欲求段階説や、成果主義の利点・欠点などの概念を
単に理解していくものではないと思う。
そーいうのがスーパーに並べられたパックの刺身だとしたら、
もしドラは海で元気に泳いでいるマグロだと思えるぐらいの差がある。
もしドラは確かにフィクションだけど、
マネジメントが人間ドラマじゃなかったら何だというのだ。