十二国記 再読

ランドリオール(連載中の漫画の中では一番好き)を読んでいたら、無性に読みたくなった。
もしかしたら、この漫画の作者も十二国記の影響を受けているのかもしれない。





今見ると、センスの無いタイトルだと思う。
しかしこれが始まりで、始まりにふさわしいような深さを持っていると思う。
いくらでも話がふくらみそうだし、実際にすごい後続が出てきた。


色々と、気になる箇所もある。特に「他人としのぎを削って自己を主張するよりも、周りに合わせるほうが楽だ・・・・
と考えていたから、いい人間関係を築けなかった。」という主人公の思いには共感しにくい。
人の意見がそんなに信用ならないかな?合わせるとか楽とか、悲しくなってくる。
その前に、関係があった人の事を悪く思うのは良くない。自分の人生を否定しているのと同じだ。


けど、そういう部分を含めて、この本はおもしろい。主人公を好きになれる。





訳の解らない題名2。ある意味ファイアーウォールだ。
実際には熱い戦記もの。前半は暗い話が続くけど、それでも話を引っ張れるのがこの作者のすごいところだと思う。
共感できない部分「知らないで罪を犯したとしても、それは知らないことが罪だ。」
作者としては、自分のやるべき事を知って、積極的に行うべきだと言いたいのだと思う。そこは同意。


月の影 影の海の主人公が大活躍。十二国記の双頭の1つだと思う。(もう1つは図南の翼)
戦いの前のざわめき、直前の緊張感、戦闘の興奮(はイマイチだけど)、合間の作り方。
物語の始まりから終わりまで、文句のつけようが無い。
ロードオブザリングとかが好きな方にはおすすめ。




華胥の幽夢 十二国記 (講談社X文庫)

華胥の幽夢 十二国記 (講談社X文庫)


短編集。どれを読んでも暗いww
表題の短編のテーマは「批判するなら代案を出せ!」
・・・・そうは言っても、そう簡単ではないと思う。
あこがれからも、批判からも何かが生まれると思う。
あこがれや批判だけで終わらせるな、と。
この本の中の「帰山」が好き。国がどう滅びるか、その過程について淡々と語る姿がいい。
「乗月」 ひたすら外交言葉。だれかこいつをぶん殴れwwと思えるほど。そこがいい。
「書簡」 気をつかうのはいいことだと思う ←東京バビロン





十二国記で最も救いがない話。あんまり好きじゃない。作者が自分で作った世界を壊し始めた。
・・・・シムシティとかやってると、その気持ちは解るけど。
続きが無いと、どうにも収まりがつかない。
今まで出てきたキャラが総出演なところはいい。この話の最大の魅力。
もう少し明るくできれば、もっとすごい作家になれると思う。