「ハウルの動く城」を見た


ハウルの動く城 [DVD]


千と千尋の神隠し」と同じように、話が繋がっていないような気がする。
話があっちに飛んで、こっちに飛んで、いつの間にか終わりました。という印象を受けた。



テーマは戦争反対と愛・・・・という事でいいのだろうか?
けど、本気で反対する気が伝わってこない。戦争を茶化している、という表現が一番ぴったりくる。


その辺に手抜きだからか、終盤のハウルと主人公がかっこよく見えない。
ラストのサリマンのセリフ「こんな馬鹿げた戦争早く終わりにしましょう。」もなめてるような。
そんな簡単に終わるなら誰も苦労しないだろ・・・・。
ああ、これはアニメだったんだなと思わせてくれる。
ハッピーエンドがどうとかも言ってたぞ・・・・。



愛?なんか主人公が唐突にハウルを好きになってた。ハウルもいつの間にか主人公を好きになってた。
現実にはよくあるだろうけど、物語でそれをやられるとびっくりする。
少しは前フリしといて欲しい。


話はよくわからなかったけど(今まで見た映画の中でも、難解さはワーストレベル。
雲のむこう、約束の場所」とかも、よく意味が解らなかったけど、あっちは恋とか友情に本気だった。)
それぞれの登場人物を通して、監督が言わんとすることは伝わってきた。




主人公
命短し恋せよ乙女。働いてばっかりじゃだめだよ。


ハウル
才能あるからって、みんなのためになんて働いてらんねーよ。


サリマン
才能あるからって、この歳までこき使われるのは・・・・後進に道を譲りたいな
(彼女、そのためだけに戦争を始めたのでは?)



それに対して思うのは


主人公

確かにそう思う。働くのは大切な事だし、学ぶ事もたくさんある。
けど、それ以外からも学ぶ事はあるし、そのほうが人生楽しくなる(し、仕事も良い方向に向かうと思う)。
最近のニートを叩く風潮もどうかと思うし。人生にはそういう時期もあるってだけの話だ。
一生それで過ごせるわけでもなし(なにより本人がそんなのイヤでしょ)。
この時代の空気の中で、この発言は見事だと思う。


ハウル

これは人それぞれ・・・・他人がどうこう言えるものでもない。
ただ、誰かのために生きる事は愛と呼ばれ、神聖視されているのに対し、
みんなのために生きる事が、地位とか名誉のためだと呼ばれ、おとしめられているのはどうかと思うけど。


サリマン

本気でその気なら、いくらでも手はあると思う。
周りの意向を無視して引退とか、ハウル以外の弟子を育てるとか。
結局この人、なんだかんだ愚痴りながら、自分ががんばっちゃうタイプだよな。



3人全部合わせると、
「才能あるからって、仕事押し付けすぎだよ。自分の人生も生きさせてくれ。」と。
・・・・多分、これは観客に伝えるメッセージというよりは、監督自身が思っている事ではないかと・・・・。


ハウルが苦しんでいるシーンが、監督が苦しんでいる光景とだぶって見えて、やるせなくなってきた。